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2016年7月10~20日に開催された第40回世界遺産委員会の議事で、アジアにおける茶の生産景観の世界遺産登録の可能性を検討することが決まった。


http://whc.unesco.org/archive/2016/whc16-40com-5B-en.pdf 「Reports of the Advisory Bodies」 Ⅱ A.10-40部分(英文PDF/UNESCO)


ヨーロッパにおいてはブドウ栽培とワイン生産に関する景観が文化的景観として世界遺産に登録が相次いでいる。対してアジアでは棚田景観に文化的景観が適用されているが、登録件数は二件と少ない。

アジアの茶関連遺産は、中国の複合遺産である武夷山に烏龍茶の産地が含まれているのと、インドの山岳鉄道の一つダージリン・ヒマラヤ鉄道が紅茶葉運搬に関係している程度。


一方、ユネスコと互換関係にあるFAO(国連食糧農業機関)が推進する世界重要農業遺産システムでは、雲南省の「プーアル茶の伝統的茶農業」と福建省の「福州市のジャスミンと茶文化システム」、日本の「静岡の伝統的な茶草場農法」が認定されている。


国内では文化財保護法の重要文化的景観に京都府の「宇治の文化的景観」が選定されており、宇治茶の栽培景観が含まれており、宇治市では世界遺産登録運動も展開する。


中国では茶馬街道の世界遺産登録を目指す動きもあるが、せっかくのアジア共通の食文化であり、個別の国が独自に登録推進するのは勿体ない。


提言☞アジア各地の茶生産景観を共同推薦するトランスバウンダリー物件とし、平和文化外交の実践としてはどうだろう。トランスバウンダリーにすることで、国連・ユネスコに加盟できないことから世界遺産条約を締結できず、世界遺産がない台湾(中華民国)の茶生産景観も含めることも検討の余地があろう。



追記:茶の生産景観ではないが中国(湖北省・福建省・江西省・湖南省・河南省・山西省・河北省・内蒙古自治区)が「万里の茶葉道」として世界遺産を目指すと発表した。茶葉道は中国国内にとどまらず、隣国との調整さえつけばモンゴルのウランバートルやロシアのキャフタまでの道も含めた全長4760Kmに及ぶトランスバウンダリー物件となり、ロシアを介して中央アジアやヨーロッパに至れば13,000Kmにもなる。(2017.3.25)